個人向け名刺アプリ「Eight」の本気。ダイレクトリクルーティングは成功するか?
アメリカではLinkedInがビジネス用SNSとして非常に有名ですが、ここまで日本ではLinkedInが完全には普及しませんでした。理由は、Facebookよりも知名度が低く、ビジネスの中でも複数アカウントなど、管理が面倒などでした。
一方で、名刺アプリEightの広告はビジネスマンなら一度は見たことがあると思います。Sansanと聞くとCMも思い浮かぶでしょう。この会社がついに、名刺の情報をもとにリクルーティングサービスを開始します。
これまで、ウォンテッドリーなど中小企業をターゲットとしたSNSマッチングでのリクルーティングサービスはありましたが、名刺情報を利用したリクルーティングはかなりインパクトがあります。
特徴的なリファラル採用
日本語に直すと参照採用になりますが、何を参照するかというと人脈です。
社内の人間の人脈が、今回採用したい人とつながっていないか?を確認し、繋がっていた場合は、その人脈を生かして採用が出来ます。知り合いが話すことによって、最初の会社を知るときのハードルが大きく一つ下がることが期待できます。
利用方法はいたって簡単
利用者は、応募をすれば、スカウトのメールが来ます。
これだけだと、他のSNSマッチングやリクルートサイトでも同じように見えますが、決定的に違うのは、Eightの名刺が持つ人間関係と人脈を既に持っている点です。
リクルートなどのサービスはあくまで転職希望の人のみの情報は持っていますが、潜在的な転職希望者の情報はありません。さらに、潜在的な希望者も電話やメールなどの問い合わせもすることなく、スマホだけでその意思を示すことが出来ます。
採用担当者はどうすべきか?
採用担当からすると、簡単に情報がEightを通して流れてしまいます。もっと転職の流動性が活性化してくる予想がたちます。採用担当がしなければならないのは、Eightの登録を禁止しつつ、一方ではEightを利用して呼び込む活動をしなければならないでしょう。
どんどんと仲介あっせんを外した直接的なサービスが始まっていきます。
Eightダイレクトリクルーティングの懸念材料
懸念材料としては、Eightはそうはいっても日本人の労働者6,700万人のなかの200万人で、約3%です。ビズリーチなどの高収入・高学歴のカテゴリ特化型のリクルーティングサービスなどよりも、人がセグメントされていない分、玉石混合というところもあるでしょう。
本業のサービスとなっている名刺管理サービスから進化するには、もう少し利用者を増やしていく必要があると思います。名刺がどんどんと不要になっていく世界になっている中で、この潜在的な就職希望者を如何にして集めていくことが出来るか?
果たしてEightはダイレクトリクルーティングを成功させて、人材サービス市場を変えることが出来るのか?色々と見守っていく必要があります。