責任者なきチームに未来はない JVを汲む時に注意すべきこと

JV(Joint Venture)を組む時に、一番最初に必ずやっておかなければならないのは、スケジュール管理と各企業での役割分担の確認だ。つまり、足並みが揃わないJVほど、フラストレーションが溜まるものはなく、そして、成功しない事が多い。

 

JVというと建設業界では当たり前に組まれているものだが、パートごとに建設に関するスケジュール調整などは欠かせないものになる。

 

 

1.責任者に自覚させる

 

責任者には、あなたが責任者ですよという自覚をさせる必要がある。責任という言葉だけ聞くと、たじろいでしまう人もいるかもしれないが、責任の範囲内で自由な指示が出来るようにしてあげれば、自分で考えながら仕事が出来るのでおススメだ。

 

一方で、責任者に対して束縛しすぎてしまうと、身動きが取れず、●●さんがこう言ったから・・・というような理由で逆に責任者が理由を出してしまう事もあるので要注意。

ある程度、自由度を保って率先して動けるタイプの人間で、仕事がキレイに部下に振れるタイプが一番責任者としては適している。

 

 

2.契約(JVA)で完全に責任を分ける

 

自覚はマインドとして重要だが、契約書面での取り交わしは、法定争いにならないようにするためのお互いの取り決めとして非常に重要になってくる。また、契約内容を責任者が共有することによって、法的な面での責任の自覚も同時に植え付けることが可能になってくる。

 

ただし、よくある「それ以外の事態については、双方協議の上決定する」という契約上の文言は、いわば魔法の言葉でもある。この事態が無いに越したことは無いのだが、まれにこの双方協議が発生することがある。たいていの場合、その業界での慣習とその他法令・定款にのっとって、協議が進むが、協議が暗礁に乗り上げるパターンも少なくない。

海外の合弁契約の場合は、出資比率と議決権の割合によって誰が主導していくかが最初に決まるので、この出資比率を決めるにあたって高レベルな交渉が求められてくる。

 

 

3.想定されるリスクの洗い出しと対処方法

 

2の契約の話の中の、双方協議を回避するためには、想定されるリスクの洗い出しを事前に行っておくことが肝になる。これも程度によるが、リスクを想定する際に、あれもこれもリスクになってくることは当たり前だ。突き詰めると、この洗い出しはキリが無くなる。

そのため、この洗い出しにおいては個別に行うのではなく、JV関係者が揃って協議する場が必要だ。その際には、誤ったことを合意していないかの議事録が効いてくる。

 

 

4.責任感のあるチーム作り

 

責任者というのは、他の企業との調整と部下への意思共有が欠かせない。いわゆる伝達力というものになるが、端的にMECEを意識して指示を行わないと、伝言ゲームのようになってしまい、末端の社員には全く別物の認識になってしまっていることも少なくない。

 

これを防ぐために、責任者は直近の部下や他の企業担当者との意思疎通はもちろん、都度末端の社員に対しても確認を取るのが良い。ここで全く違う回答が返ってきた場合は、どこで伝達が間違っているかを修正し、指摘、改善を行う。

 

 

5.まとめ

JVの責任者になった場合、まず

 

・自覚

・契約内容確認

・事前にリスクの洗い出し

・連携企業とチームへの正確な意思伝達

 

この4つを心がけてみましょう。