RPAとは、「Robotic Process Automation(ロボティック・プロセス・オートメーション)」の頭文字から取った略語になる。つまりは、ロボットによる業務の自動化だ。RPAは流行ではあるが、業務の自動化というとRPAだけにこだわる必要は無く、既にあるソフトウェアでも十分賄える部分が存在する。
目標はRPAを導入することではない
よくトレンドに乗って、うちもRPAを導入するぞ!という企業も少なくないが、目標は導入ではなく、業務の効率化を目指した自動化だ。
導入前に確認すること
まず、確認することはRPAを入れる前に効率化できることは無いか?ということだ。
特にエクセルを利用したデータ作成・整理や画像加工の時に一括で行えるものなどはやれることが多いはずだ。
図で示した通り、各ソフト別に難易度で切り分けてみた。
作業内容にもよるが、マウスを使って1件物件行うよりも、時間効率は数倍、数百倍で高くなる。
RPAを導入する方がよい場面
特にRPAを導入するのに適した場面とは、各種パッケージソフトウェアを跨いだ自動化だ。これらはプログラムを構築しないと自動的に行うことが、かなり難しい。ただ、こういった場面が現在の職場にそこまであるのか?ということを考えた場合、無いこともあるだろう。
そういった場合は、無理にRPAを導入する必要は無い。
1年間で最低でも現在のところ約400万程度かかることを考えると、人ひとりを雇う方が良いか否かを検討する良い指標になるはずだ。
ソフトウェアロボットやプログラムの注意点
RPA、マクロ、VBA問わず、プログラムで自動化を行う場合、
・PC/サーバーへの負荷のチェック
・イレギュラーがないかのチェック
・データの前処理のチェック
などチェックは複数ある。特にバックアップなどを取っていないと、上書きされて元に戻せないなどのリスクも発生するので注意が必要だ。プログラムが動かなくなった・・・というのも課題ではあるが、一方で、プログラムが知らないところで動いてしまっていた、という方がもっと大変になる。
そのためにも、一度作成したロボットについては必ずテストが必要になってくる。本番さながらの環境にて、本番環境に影響が出ない範囲でプログラムを実行することが必要だ。
RPA分野は進化する
自動化するにあたって、RPA導入の魅力的な点は、やはり言語を用いてプログラムを組む必要が無く優れたユーザーインターフェースで作業者が視覚的にプログラムを作成できる点になる。一方で、作ったプログラムのフローは必ず理解しておく必要がある。
その理由は、前述の、プログラムが知らないところで動いてしまったという事を防ぐことが出来るからだ。
ロボットはその指示通りに動くので、AIと違ってこれは違うだろうということまでは判断できない。RPA分野がAIの技術を抱き込んで導入された場合は、もはや事務処理というものは全てロボットで出来てしまうことも将来想定できるだろう。