産業別の賃金とマンアワー、雇用に関するデータと予測
ニュースでは女性や高齢者の労働参加が進まない場合、2040年までには、
・40年の就業者数は17年に比べ1285万人減少し、5245万人に落ち込むと試算。
・減少幅は働き盛りの30~59歳で大きく、「成長に向けた大きな阻害要因」と結論。
とされているようです。
それだけ、今、女性と高齢者雇用がフォーカスされていることを意味します。
それとは別に、
産業別賃金分布と労働生産性に関する推移から予測を
本日発行された厚生労働省の雇用政策研究会報告書の参考資料のデータをもとに行っていきたいと思います。
生産性とマンアワーに占める割合
このグラフから読み取れることは下記になります。
・貨幣経済に寄れば寄るほど、マンアワーも低くなり、生産性も高い
・現在、マンアワーの高い業種ほどFAやAIの導入で、さらに生産性は挙げられる余地がある
業種別の賃金に関するデータと予測
【製造業】
年収100万~400万の割合が右にシフト・・・賃金増加傾向で囲い込みが積極的
→今後も、年収は上がっていく傾向はみられている。ただし、オートメーション化が進めば雇用者自体が減っていく可能性がある。
【情報通信業】
年収1千万の割合が高い・・・年収に2極化とニーズの高まりがみられる
→使う側と使われる側の二極化がすすむが、使う側の人数は増えない可能性。
【建設業】
年収200万~400万の割合が右にシフト・・・賃金増加傾向で囲い込みが積極的
年収1千万の割合が上昇・・・受注物件数の増加による?
→受注が堅調に推移している影響が出ているが、再開発含めてひと段落した後が一部心配。
【医療・福祉業】
2012年とほとんど変化が見られない・・・建設業よりも雇用が深刻
→他業種の賃金水準が上がっているにもかかわらず、この業種だけが変化が出ていない状態。今後も抜本的な改革が行われない限りは増えていくニーズに追いつけない可能性もある。
【飲食・宿泊業】
年収600万以上は3%程度・・・上昇はあまり見込めない
→おもてなしの部分では重要な飲食・宿泊業は賃金が低水準。上昇傾向もみられないため、このままの水準を維持する状態。
まとめ・・・
私の感覚ですが、イメージが付きやすい(仕事内容がイメージしやすい)職業ほど賃金が低い傾向にあるのではないかと考えています。
賃金だけで働くところを考えるのは、どうかと思いますが、数字として客観的に見ることによって個々の業界の変革につなげて業界ごとに盛り上げていかないと業界自体の存続も2040年には危うい事も意味しています。
政府の政策に頼ることもありますが、ビジネスモデル自体を業界的に、組織的に変えて行く事でよりよい賃金での働き方に変えて行く事も出来ることでしょう。