恨みの力の限界 -下町ロケット ヤタガラスよりー
私の住まいには、テレビがないが、毎週、下町ロケットと情熱大陸と中間管理録トネガワだけはTverなどのWEB配信で見ている。
下町ロケットは今、大企業に恨みを持った中小企業たちが結束して、大企業を潰そうとしている。
潰すといっても、特定人物に対して汚点を付けるということだが。
人であれば、人生の中で恨みを持ったことのない人はいないだろう。特に理不尽なことを言われたり、信頼が崩されたときに恨みの感情が発せられることが多い。
恨みの力は、侮ることは出来ない。恨みは執念へと変わり、成し遂げようとする力にもなる。
下町ロケットは小説が出ているが、読んだことが無いので今後の展開がどのようになるかは分からないが、最終的には、主人公の企業が正義として成功するのだろうと思われる。
何かを行うキッカケとしては、そういった恨みは決して弱くはなく、強い。
普段なら億劫で出来ないことも、恨みを晴らす目的として軽々として出来てしまうことがある。
しかし、目的が恨みを晴らすことになってしまったことで、失うものは、真の目的だ。
どんなに良い商品やサービスを、恨みの力で作ってニーズを汲んだ末称賛に値したとしても、恨みを晴らすという目的を達してしまった時点で、そこから先のモチベーションは無くなるだろう。常に目的を見失わずに、一部恨みの力を借りるのであればそれはいいのかもしれない。だが、そううまくは行かない。
何かに理不尽を感じたり、腹が立った時に培うべきは、恨みという特定の人や法人ではなく、大義を見た上での「なにくそ精神」である。
なにくそ精神が恨みとは違うのが、前述の真の目的を見失っていないことだ。目線は常に、だれに、なにを、どうやって提供するのか?それでどんな良い事が生まれるのか?である。
冷静になるのは時間がかかることだ。最近では、何も感じない人も多い。私は何も感じないよりは、断然人間的であると思う。
転職する理由は何ですか?
入社する理由は何ですか?
起業したいと思ったきっかけは何ですか?
そういった理由に、一部でも恨みがあるのであれば、まだ思いとどまった方がいい。もう少し意識を高めてから次のステージに行くべきだ。
何度も言うが、恨みを持つことは、人間的であり当たり前の感情である。そして、その原動力も凄まじいものがあると私は認めている。
それが、最終的に真の目的を見失わず、初心に立っていられることこそが一番継続的にモチベーションが保たれる秘訣なのではないか。