旅行会社はツアーを差別化できるか、バス手数料規制強化に見る価値提供とは

軽井沢スキーツアーバス事故から変わった

 

2016年1月に大学生ら15人が死亡した軽井沢スキーツアー事故は、非常に痛ましい事故で旅行業界では今でも震撼させたことだった。旅行会社はバス会社から手数料をもらう。それは、一般の小売販売と同様、卸値と売値の関係と同じと言える。

 

今回の場合だと、その構図が分かっていない状態で、「制度の抜け穴」を作りつつ運賃基準の下限値を決めてしまった国の改善となってくる。

 

 

 

手数料の構図

 

簡単に言うと、

 

バス会社が10万円で旅行会社が払った後に、手数料見合いで1万円を旅行会社に払い戻しをする。そのため、実質的には9万円がバス代となる。ただし、バス会社の運賃基準とされているのは、10万円の方が見られるため、この手数料1万円が、例えば3万円として取り決めてしまえば、見え方は10万円、実質は7万円のバス代となってしまう。

 

それを避けるため、今回、バス会社が旅行会社に支払った手数料を国に報告することが義務付けられることになる(上述の例でいうと、1万円ないし3万円)。

 

 

根本の原因は、いったいどこにあるのか?

そうなってしまう原因は何か?

 

それは、ひとえに

 

・競合との差別化が難しい旅行という商品

・競合との差別化が難しいバスという商品

 

の2点になるだろう。

 

旅行は、ツアーの企画などで特許を取ることが出来ない。そのため、ヒット商品が出来たとしても、真似されてすぐにコモディティ化(同質化、陳腐化)してしまう事になる。

 

バスという交通サービスは、更に厳しい。最近は高級感のある3シートのバスなどが出てきてはいるが、旅行の中でもバスの移動中は、風景を見ているか寝ているかどちらかだ。こちらも大きな差別化を図るという事は中々難しい。

 

 

 

 

では、どうすればいいのか?

 

それを考えるためには、差別化をどう図るかを考える必要がある。

 

一番重要で大切なのは、人での差別化だ。

 

旅行には様々な「人」が絡む。日帰りバス旅行だけでも、

 

・添乗員

・バスガイド

・バス運転手

・お弁当屋さん

・昼食箇所のスタッフ

・観光施設のスタッフ

 

・・・

 

挙げたらきりがない。その一人一人が、仮にYouTuberだったらどうだろう。

非常にユニークな旅行になるに違いない。

 

人にフォーカスした差別化はおススメだ、というかそれしかない。

 

現に、私が旅行会社にいたころでも、バス運転手指定というリクエストを何度ももらったことがある。それはひとえに、その運転手さんの人柄だったり、走り方だったり、態度による。

 

旅行をひも解けば、「たくさんの人に1日で会える移動」とも言える。

 

この移動を感動に変えるのも、結局は人なのだ。