地域活性化の基本②(モノについて)
モノに関してはヒト、カネ以外の有形・無形全ての資産と定義する。
まず、有形資産は何が挙げられるだろうか?
有形資産というと、大きなもので施設から小さなもので什器と様々だ。これらは、組み合わせることによって、全く新しいモノに生まれ変わることが出来る。
私が経験した事例では、古民家を再生して地域のイベント会場にするパターンだ。昨今、新しく建てるよりもリノベーションの方が良いという価値が高まっているところもありこのニーズは大きい。特に、空き家に関していうと、素材としては地域にいけばいくほど膨大に存在する。こういった利活用は進められている一方で、権利関係がハードルとなる場合が多い。
まとめると、
有形資産を
- 用途と違うものに利用する
- そのものの価値を引き出す
かのどちらかになってくる。
次に、無形資産は何が挙げられるだろうか?
無形資産というと、システムや情報・制度が挙げられる。システムは有形と言えば有形かもしれないが、今回はデータの集合体と考えるため無形とする。事例というと、システムでいえば昨今話題のAIを利用した農作業、情報はビッグデータ解析で分かった通販の拡大、制度でいうと、ふるさと納税等だろう。システムや情報については、いかに早くその利便性を見出して利用できるかがカギになる。一方で、制度は地域が作り出すものなので域内からの発信になるため、取り組み方が全く違ってくることが面白い。
- システム/情報・・・利便性を見極め、使う
- 制度・・・域内で自ら作るもの
資源がないと言われるが、観光から始まって面白い制度まで他と比べて面白い制度というのは比較するとかなり存在する。どれもこれも、ユニークな中でどれを選ぶかの目利きは重要だ。それは、前回述べたヒトの仕事になってくる。
これらのモノの資産は何があるかを挙げるようなワークショップから始められることが多い。これはヒトがたくさん集まってアイデア出しができれば出来るほど、自分では気づかなかったような資産が出てくる。有形・無形の資産の組み合わせによって、全く新しい商品やサービス・施設が実現できることになる。
特に最近のトレンドとしては、無形資産であると思う。無形資産となるものは有形資産よりもずっとスピードが早く進化している。この進化に遅れることなく、うまく利用することが出来ればよい。
注意するのは、システムの導入時の決済だ。このシステムというのは諸刃の剣で、初期コストなどが高く発生してしまったり、システムが時代の変化に応じて変更が難しいものであれば辞めた方がいい。なるべく月額や年額等の支払いで初期コストは抑えつつ、SE人材の規模がどれだけいるかなどのバックアップ体制については、システムの機能とは別に聞いておいた方が良い。他の情報や制度はタダで取得したり、作ったりできることが多いが、システムというのは非常に難しい。
ぜひ、モノの考え方の整理として、本稿は利用していただければ幸いです。