食品ロスと原価・売価(利益率)について考える
たった1日で500キロの食品ロス
クリスマスケーキの廃棄される量が食品リサイクル工場にたった1日で500キロもの食べられるケーキが運ばれてきたそうだ。
起業して1年目のまだまだ貧しい私にとっても寂しい限りだ・・・。
食品ロスと貧困問題が併せて議論されることは多いが、今回は日本だけ、かつ、原価と売価にフォーカスしたコラムにしようと思う。
食品ロスは需要と供給のバランスで、供給過多になった場合に発生する。これは事実だ。
普通、供給過多になった場合はストップされるが、こういったイベントなどの数量の読み違いによる大量発注がそもそもの原因だ。
数量の読み違いはサプライヤー側にとってはダメージではあるが、大量生産する場合は1万個作ろうが、1万1千個作ろうが、大した違いにはなくなってしまうため、供給不足を不安視して結局、廃棄が生まれることになる。
特にこの廃棄は一般向けをターゲットとした利益率が高い商品に多い。フォアグラが店の裏側に捨ててあることは見たことが無いように。
解決に動くイスラエルのベンチャー
一方で面白いことを行っている企業がある。Wasteless(ウェイストレス)@イスラエルは消費期限が近付くほど価格を適正価格に自動的に変更する技術を導入した店舗を展開したところ、排気量が32%削減し収益は6%増加したらしい。
しかし実際のところ、AIだからすごいなーと思う人もいるかもしれないが、夜8時回った後のタイムサービスで2割引き!といったことをシステムに任せている事になるので、日本でもAIほど精査されていないにせよこれと同じ行為は既に行われている。
今回のクリスマスケーキでも25日の夜のスーパーでは値引きが行われているから、既に措置を取ったうえでの廃棄量500キロということだ。では、どうするべきか?
では、どうするべきか?
一つは売価を下げる事だろう。これにより利益率は下がるので、売価を下げれば下げるほど、材料の発注が守りの姿勢に入るので当然、廃棄量は下がる。
二つ目は、逆に原価を高くする。要は質のいいものに変える。これも一つ目と同様利益率が下がるので安易な発注は出来なくなる。
どちらも会社の利益を圧迫するので、やりたくはないだろう。しかし、別の視点で考えれば、ほかの誰にも影響されず会社単独で決済判断できるという簡単さもある。
クリスマスケーキが足りない!というニュースが出てくると企業担当者は内部で激怒されるだろうが、ある意味一つのCSR(企業の社会的責任)として、「私たちは食品ロスゼロの企業です」というのもインパクトはかなり大きいだろう。