200年続く企業の本質とは 理念を基礎として、時代の変化についていく

100年続く企業がどんどんと現れる中で、さて次の100年をどうしていくか?という課題にどの企業もが直面している。時代の変化についていくという意味では、頻出する事例として富士フィルムが挙げられる。

 

 

時代から危機感を感じた末生まれたソリューション

 

まだ富士フィルム自体は設立が1934年なので100年企業にはなっていないが、3つのソリューション事業としてイメージング、ドキュメントそしてヘルスケア&マテリアルズを抱えている。最後に上げた、ヘルスケア&マテリアルズというのが時代の変化と共に自らニーズを深堀りして、事業として成功を収めたこととして有名である。

 

実際、2017年度の事業セグメント別売上構成比では、イメージングが16%、ドキュメントが43%、そしてヘルスケア&マテリアルズが41%と完全に売り上げ構成の中でも柱として築き上げられている。

 

いわゆる社内革命を起こさない限りは、このヘルスケア&マテリアルズは生まれなかったことだろう。

 

 

社内革命のベースを作る

 

よく、経営理念を唱和したりする会社があるが、この理由はその企業で働く者の精神を共有することにある。価値観がどれだけ多様化しようと、企業としての理念をおろそかにするとまとまりが生まれず、良いチームが出来ない。そのために、基礎の共有として経営理念は存在する。

 

しかしそれだけでは新しい事業というものは生まれることは無い。一人一人が様々な部署と話し合い、アイデアを共有していくことでやっとサービスは生まれてくる。

 

ただ、サービスが出来たとしても、そこで終わってしまわないようにしなければならない。

 

営業のフェーズまで行ったら、最初はこれ売れるのか分からないな?と疑心暗鬼の中で動くセールスマンを鼓舞しなければならない。セールスマンに、これは売れる!と思わせたら開発者としては一歩ステージが上がることになる。どれだけ、この商品やサービスが世の中で必要とされているかを社内で意思統一していくわけだ。早く世に出してユーザーから「いい!」と思ってもらえるか否かは、この社内での意思共有が大前提にある。

 

売る側が疑心暗鬼のなかで、新しい事業が成功するとは思えない。

 

良いものができても、それを営業や広告で周知しなければ、非常にもったいないものとして時代に取り残されてしまうだろう。

 

 

次の100年ではITという分野から逃げることは出来ない

 

IT人材が必要と10年前ぐらいから言われているが、これは必ず必要になってくる。パートナーとして企業連携を組むにしても、社内にITに詳しくない人間ばかりだけだと、結果的には、良いようには進まない。その理由は、連携する時にコミュニケーションが成立しないからだ。ITで出来る事は、時短効果からデザイン、投資に至るまで様々ある。

 

特に時短効果については、人が100時間、時には数万時間かかる計算や表現を数秒で行ってしまう。この時短効果を利用していない会社と利用する会社では、まず人材配置で明確に差が生まれていく。必要な場所に人を置くことをして行かないと、時短効果で生まれる人件費の圧縮、そして商品・サービスに対しての利益率にも大差が出る。

 

とっつきにくいものから目を背けない事

 

IT分野はハードルが高いというイメージが先行していることが特に40代以上の人たちで多いのではないだろうか?実は私もそうだった。ITというカテゴリ自体、分野は非常に幅広く、全てを網羅して勉強することは一生かかっても無理だろう。ただし、背景にある理由は間違いなく知っておく必要がある。

 

 このような、命令を行うから、こういった動きをする。

 この構成だから、安全にウェブを利用できる。

 

などだ。

用語とメカニズムくらいであれば、Wikipediaだけでもふんだんに出てくる。まずはそこからだろう。新しく利用できるIT技術というのは日に日に生まれている中で、その技術と現在のサービスの掛け合わせは無限にある。その掛け合わせを一つ一つ検証していくことで、富士フィルムのような革新的な技術をしっかりと世に出して、認知され、広めることが出来るのだろう。