オランダ:ユトレヒト建築と風景

オランダ:ユトレヒト建築と風景

ユトレヒトも現代建築の宝庫と言われている。特にユトレヒト大学には著名建築家の建築かが多くあり、アムステルダムからもインターシティ(IC)で30分で行けます

ユトレヒト中央駅からは徒歩15分ほどで、ユトレヒト大学のエリア内には入れますが、結構広大な大学面積になるため、目的の建築を発見するには少々時間がかかると思います。

 

 

エデュカトリアム:レム・コールハース(OMA)

 

錯乱のニューヨークという都市について語られた著作が有名なレム・コールハース。エデュカトリアムは彼の建築の中でも代表作。講義施設とカフェの機能が主になっている。最近だと、私はリールでコングレクスポという展示会場、カンファレンス施設を見学してきた。コールハースの建築は、オブジェ的で、その建築そのものが一つの美術に近い。

エデュカトリアムについては、一風変わった外観の中に、面白い空間が創出されている。

日本ではこのスラブ(床)の厚さは地震の関係で難しいと思われるので、この建築はオランダだからこそ出来ている。あと、彼の建築の面白さは利用される素材であり、トタンなど日本ではあまり壁材としては利用しないものが利用されていたり、その中にライトが埋め込まれていたりと、さながら建築の実験施設のようです。

 

また、このころ斜行空間がコールハースの作品には多く見られます。これも空間の実験に当たるものでしょう。斜路空間でいくと、有名作はクンストハルという現代美術館です。スロープと日本でいうと、車いすの方や重いスーツケースを持った方が利用されるイメージがありますが、それをコールハースは全空間に摘要させ、普通なら階段であるべきところもスロープがふんだんに利用されます。エデュカトリアムでは、斜光空間は2階のフロアとそれに応じた1階のカフェの天井部分で分かります。

 

ユトレヒト大学図書館:ヴィール・アレッツ

デンマーク王立図書館、通称、ブラックダイヤモンドと呼ばれる施設に似ている。内部の図書館という機能と外観の重厚感がマッチしている。ただし、こちらのファサードはガラスにプリンティングされている樹々のパターンがあり、近くに来るとこれが分かる。中の空間はまずエントランスの高さに驚きつつ、しっかりと読む、借りる、勉強するといった基礎の機能が配備されている。さながら、図書館のコンプレックスという感じ。オランダらしく、注目する部分は色で赤を利用されており、デザイン性が高い国民性が感じられる。

 

 

 

 

A.A. Hijmans van den Berghgebouw:エリック・ファン・エゲラート

 

エデュカトリアムの近くにあり、建築雑誌に載っていなかったがひときわ目をつく建物。研究・講義施設となっており、非常に広いフリースペースと、ミーティングルームが儲けられていた。

 

 

ユトレヒトを訪問されたらぜひ、併せて見学していただきたいのが、世界遺産であるリートフェルトのシュレーダー邸である。現代建築の中でも、コルビジェよりも先に世界遺産登録されたものであり、ユトレヒト大学から徒歩で約30分かかるが、折角来られたのであれば見ていただいて損はないです。見学には予約が必要となっています。

シュレーダー邸予約(英語/オランダ語)

Rietveld Schröder House  buy ticketsから予約購入できます。

ユトレヒト市内で面白い場所は、ドム塔付近の河岸のカフェテリア群で、この国だからこそですが、水辺とカフェのレベルがほぼ同じになっています。京都の高瀬川で実現した安藤忠雄のTIMES Ⅰ、Ⅱもこれに近いですが、これだけ河川沿いに並んでいる光景も珍しいです。日本では見られないと思います。