英ボーダフォンがスペインの複数都市で5Gの運用を開始した。その中でもファーウェイ問題は抱えている状態で、5G運用の中でファーウェイ製品は除外されているようだ。
5Gになることによって、変わることは多い。
特に数ギガある動画などのデータも1秒かからずダウンロードできるという事は、現時点でダウンロード時間にやきもきしている人たちからすると非常にメリットと感じるところはあるだろう。また医療現場や自動運転などの通信遅延が許されない分野でも非常に利用価値が高くなっています。
一方で、日本はスペインに遅れての稼働となる状態だ。ただし、ソフトバンク社が、新たな無線方式となる5G-NRという無線伝送技術を実験している。
5G-NRとは?
“NR”とはNew Radioの略となる。意味としては、第5世代(=5G)の要件を満たす企画となる。3GPPという国際的な通信業界の団体がこの規格を決定した。今回、この確定した規格で、ソフトバンク社はトラック隊列走行時にリアルタイムで車間距離維持制御を行う事の実験が成功したというニュースが2019年6月11日に発表された。
ソフトバンク社の実験条件
・一般車両を走行する高速道路上での実験(新東名高速道路)
・先頭車両のみ有人運転
・距離は14km、時速は約70km/h
・位置情報と速度情報を各車両で共有
・リアルタイムでCACC( Coordinated Adaptive Cruise Control、協調型車間距離維持制御)を行う
この実証実験が実用化に至った場合、どうなる?
<一人が大量の輸送に関わる事>
まず、先頭車両のみ有人という点から、人件費が削減される。
これは、今ある人で不足問題の解消と、配送料の低下が見込まれる可能性も高い。
<自動制御による事故防止>
今でも各社追突事故防止システムがある。これによって自己を免れた経験がある人もいるのではないだろうか?そこが、トラックでの自動制御が無人で行われることによって、更なる事故防止や安全運転に寄与することになる。
今後はどうなっていくのか?
実用化に至るためには、更なる実験が必要になってくると思うが、あとはどこまでシステム、通信の“信頼性”が担保できるかによると思われる。たとえ、5Gで通信遅延が起きにくくなった状況が作られたとしても、大規模災害などがあれば、途端に通信遅延が起きることになる可能性が高い。
それは、連鎖的に信頼性を崩し、制御が利かなくなった無人のモノは更なる被害を招く可能性もある。そういったフェイルセーフは既に検討されているはず(だと思う)が、今後も新しい実験で、よりよい未来が切り開けることに期待しか無い。
<参考>
5G推進の課題背景から目標、生活はどう変わるかまで