デンマーク:サムソ島建築と風景
デンマークのコペンハーゲンから、カルンボーまで列車で約2時間。さらにカルンボーからサムソ島までは約1時間半の船旅となる。船は1日2便(朝、夜)のみとなっており、アクセスするにはやや難の場所。
ここは、風力発電などの再生可能エネルギーで100%島のエネルギー賄っているエネルギー自給自足の島で有名。
日本でも太陽光の売電などで再生可能エネルギーの促進がされているが、実は、風力発電にはまだまだ着手がされていない。風力発電への投資なども始まっているが、一番良いのは実は洋上発電である。
日本の公海の面積の中で効率よく、洋上風車を建設できれば、日本もかなりのエネルギーを再生可能エネルギーにできる。
ではなぜ、できないか?
それは、一つは漁業権の問題で、安易に建設できなことがあげられる。2つ目がメンテナンスの問題で、あまりにも海の上に建設してしまうと、ブレード(風車の羽)が折れたりしてしまった時の修理費用が高くなってしまう。
そういった理由で、進んでいない。
一方デンマークは、コペンハーゲン・カストラップ空港に着陸するときに、沿岸部に並んだ風車群がまじまじと見ることができる。陸上、洋上含めてデンマーク並びにドイツの風力発電の開発はすさまじい。
サムソ島は陸上も洋上も含めて建設されており、島自体は、牧畜と玉ねぎ畑が広がる非常に豊かな土地である。
観光という側面では、特筆するアクティビティもないので訪れる人は、地元の人かエネルギー関係の研究者になってくるが、島に点々とある集落を自転車で巡っていくにはちょうどいい大きさの島である。
私は、夜サムソ島に到着し、島で唯一のユースホステルに宿泊したが、夜便を利用すると移動手段が徒歩でしかなくなるため、真っ暗な夜道をずっと歩いていく羽目になる。
時折聞こえる馬の鳴き声などが闇夜に響くと、どこから聞こえてくるのかとやや恐怖を感じた。ユースホステルは夜遅くなるとカギを先に出してもらうシステムであったので、翌日の朝に支払いを行った。
島のユースホステルだけあって、広々としていて、カルンボーで仕入れた冷凍食品を炒めたのがその日の夕食。
エネルギー研究センター。写真は2008年ごろなので、さすがに若い・・・。
また、観光地でないからこその、昼でも無音の空間が感じられるのも初めての体験だった。自転車で移動するときに耳に触れるのは風の音だけで、雄大に風車が回っているところを横目に見て走るのは爽快。
バルト海に焼けるように沈む夕日も、これまた綺麗。
デンマークの中でも隠れたお勧めスポットです。