終身雇用は難しい発言
トヨタが「終身雇用を守っていくのは難しい局面に入ってきた」という発言をしたことで他の企業に勤めている人も震撼した人は多いのではないだろうか?終身雇用自体は、日本の文化ともいえる。理由は、欧米諸国と比べると日本の転職率は欧米の半分以下というデータがある通りだ。
大企業の特徴としてあるのは資金力
大企業の特徴として言われるのは、1.従業員が多い、2資金力が豊富、3.機動力が遅い
の3つがある。その中でも、3.はネガティブな要素かもしれないが、実は1.もネガティブな要素として最近は捉えられてしまっている。高度なAIやRPAによって、作業が人よりもシステムが行った方がベターな場合がかなり出てきており、その中で、特殊な能力をもった人だけしか生き残れないことになってきた。一方で、2.の資金力はあればあるほど良いのは自明の理だろう。
従業員に求められてくるもの
先ほど特殊な能力を持った人といったが、どんなものなのだろう?考えるに、
・マネジメントができる
・AI,RPA関連の知識が豊富
・特殊な技術や知識がある
・デザインなどの見せ方が上手い
などがあるだろう。この特殊さは、特殊であればあるほどニーズはある。そして貴重と判断される。ただし、悲観しなくていい事として、それ以外は全部不要となるとは言っていないということだ。社内の中の人同士での差別化がキチンとできていれば、それは一部だけでも活かされると言える。
あの人は、コミュニケーションが上手だから、いなくなってしまうと雰囲気が悪くなることが目に見えている・・・。
それだけでも特殊な能力だ。
さて、話を戻し、投資会社になる理由とは
製薬メーカーや自動車関連の企業は、今それが顕著だ。理由は、既にいる社内人材の中で賄えないノウハウがどんどんと現れてきているからだ。人の引き抜きで新しいチームを作るのは、居場所も変わり雰囲気も変わってしまう事で、モチベーションが下がるかもしれない・・・そういった観点から昔は多かったが、最近は会社そのものを買収したりすることが多くなってきた。
その方が、人のモチベーション低下のリスクも幾分かは少なくなる(親会社のコンプライアンスやマネジメントがどこまで入ってきてしまうかにもよるが)。
買収してその企業のノウハウやプロダクトをそのまま買ってしまう。その方が楽だからだ。
その様なものが加速化した最後に待ち受けているのは、社内で持つ人材の知識の低下や人材過多から来るリストラなのだろう。早めに出る芽を刈ってしまう。そんな戦略も大企業は持っているのだろう。
それは、社内の人の形骸化から、大企業の特徴の2.資本力のみが唯一メリットとして残り、それが利用できるのはまさしく、買収・協業がもたらす投資だ。日本の投資会社で有名なのはソフトバンクグループだろう。ソフトバンクの親会社でありながら、行っている事業は、小さな優秀なIT事業の芽を育てる事だ。
どこまで雇用する人間とカネという資本の舵取りができるかどうかが、大企業の経営手腕の見せ所になってくるだろう。