2019年4月19日。政府と与党が一定の収入がある高齢者の厚生年金の支給額を減らす計画を検討しだした。
政府の言い分は、高齢者がもっと働き続けられる環境にできる。
実際は、厚生年金が減額される。
来年の改正案として厚生年金保険法などが変更になる可能性がある。変更になった場合、どんな動きが予想されるかをご紹介する。
在職老齢年金制度とは?
・60歳以降に関係する
・会社等の厚生年金に加入しながら、受取る老齢厚生年金=在職老齢年金という。
→年金額と月給・ボーナスに応じて年金額は減額される仕組み。
※老齢厚生年金とは・・・資格期間を満たした場合、老齢基礎年金に上乗せされて支給される年金
どんな人たちが該当するのか?
60歳~64歳:基本月額+総報酬月額相当額=28万以下か否か
28万以下・・・全額支給
28万以上・・・一部または全部停止
65歳~ :老齢厚生年金+総報酬月額相当額=47万円以下か否か
47万以下・・・全額支給
47万以上・・・((老齢厚生年金+総報酬月額相当額)-47万円)÷2に相当する額が支給停止
※基本月額とは・・・支給停止前の本来の年金額に1/12を掛けた額
※総報酬月額相当額とは・・・月々の給料(その月の標準報酬月額)+〔その月以前の1年間の標準賞与額の合計額×1/12〕
具体的な例
61歳(基本月額13万円、総報酬月額相当額35万円)の場合
支給停止月額=(13万円+35万円-28万円)÷2=10万円
年金支給月額=13万円-10万円=3万円
収入=3万円+35万円=38万円
年金支給額が、月額3万。
※上記全ては2019年4月時点でのデータからの計算となる。
在職老齢年金制度がなくなったら
前述の例でいけば、月額3万円→0円となるということだ。
働いている人には、年金はまだあげません。と言っているのと同じ。
60歳以上でも、バリバリ働いていける人にとっては、関係のない事。
一方で、働き方を変えて、のんびりと仕事をしつつ、あとは年金で。という人にとっては、ちょっと考えさせられることがあるだろう。
ここからは、選択肢は2つに分かれると予想される。
働きまくって、年金をあてにしない生活を送る
全く働かずに、年金とこれまでの貯金に頼る生活を送る
政府の思惑通り、前者を考える人が増えてくれればよいだろうが、果たしてどちらを選ぶ人が多くなるだろうか。