フランス:ランス建築と風景
フランスのランスと言えば、建築に携わる人なら知っている日本人建築家のSANAAが設計したルーブルランスがあることは周知のとおりだろう。
フランスの「ランス」は複数ある
この「ランス」というのはフランスでも複数あるので訪問する際は要注意だ。
○Lens ・・・ルーブルランスがある場所
×Reims ・・・シャンパーニュ地方のワイン醸造で有名な都市
×Rans ・・・ブサンソン近郊にある村
×Rens ・・・ボルドー近郊にある村
フランスだけでも日本語の「ランス」の地名はこれだけある。
Lensはパリから北に行ったリールに近い昔の炭鉱町だ。
リールまで来ると、かなりオランダに接近するためそのままオランダ方面に抜ける渡航者も多い。
ただし、リールもランスもよほどの建築好きでないと訪問しない場所だろう。
炭鉱の町が芸術の町へ
炭鉱の町が建築によって芸術の町へと変化を遂げるのは、
ドイツ:ツォルフェラインのレム・コールハースが手掛けたリノベーション
スペイン:ビルバオのフランク・ゲーリーが手掛けたグッゲンハイム美術館
などが思い出される。
しかも、あのルーブル美術館の分館がこの小さな町に建設されるという事だから住民も驚きだったことだろう。
ランス駅から徒歩で
リール駅を降りるとそのままルーブルランスの敷地につながる散歩道に繋がっていくのであまり迷いもしない。
散歩道を抜けると広大な平地に、平らな屋根が広大に広がる美術館の全貌が見えてくる。
SANAAのデザインがふんだんに
入り口になる部分は、同じくSANAA設計の金沢21世紀美術館や海の駅なおしまに似ている。光の挿し込み方も均一に入ってくるのがSANAAの建築に統一されている部分だ。
しかし、エントランスから美術館の展示室に入るや否や、さらに白みを帯びた空間が出現する。
時のギャラリーと称したメインギャラリーはその名の通り、壁に西暦が刻まれており時代を追ってどのように藝術が変化していったのかを大空間で見渡せることが出来る。
コンセプトも非常に分かりやすいものになっている。
ルーブルランス内にはレストランがあるが、かなり有名店らしく混み合う可能性が高い。そのため、
駅周辺含めてレストランなどがかなり少ないので、駅に入っているキオスクなどで食事をするのが無難。
冬に行ったこともあり、寒すぎてすぐに駅まで戻ってしまったが、その他の観光地が薄れてしまっている感が否めないので、ビルバオやツォルフェラインのように回遊性の高いスポットを作ることが必要だと感じる。
ここを訪れたのであれば、レム・コールハース設計のユーラリールやポルザンパルクのクレジットセンターがある近郊の都市リールも訪問すべきだろう。
リールは市庁舎の鐘楼が世界遺産にもなっている。ランスとは違いかなり大きな都市なのでユーラリール開発の周辺を見て回ってくるだけでも十分時間が必要。
アクセス
パリ北駅からTGV利用で1時間。
ランス駅からルーブルランスまでは徒歩で20分程度。
リールへもTERで1時間なので、ランスとリールをセットで日帰り観光するのがオススメ。
そのままオランダに抜けて、有名な現代建築が多いロッテルダムを訪れるのもベター。