台湾:台中現代建築と街並み

台湾というと、台北は行ったことがあるけれども、台中はないな。という人が多いと思います。台中は観光というと、台北がフォーカスされ過ぎてパッと来ないことが理由でしょう。

 

今回は、台中の建築で日本人建築家である伊藤豊雄が設計した台中オペラハウスを中心に、台中の風景をご紹介してまいります。

 

 

 

建築好き必見の台中オペラハウス(台中国家歌劇院)

◆オペラハウス正面のランドスケープより撮影◆

 

私もそうですが、台中を訪れる建築好きは間違いなく訪問する場所です。せんだいメディアテークでル・コルビジェが提唱した近代建築5原則を成し遂げる要である「柱」をチューブ状にして無くしたというデザインを発表した伊藤豊雄さんだからです。

建築構造化としては、今回セシル・バルモンド氏が手掛けています。

◆エントランスホール周辺。柱は見当たらない◆

 

台中オペラハウスも柱は見当たりません。3次元構造の物体を生成し、それがたまたま壁となって、スラブとなって、支える構造体となったというデザインです(と言いつつも、ものすごく緻密な構造計算と導線計画などが裏では行われていますが)。

◆レストラン。扉などの間仕切りも曲面があるので設計大変だったのだろう◆

 

台湾も地震が多発する国なので、これを建設するためにはかなりの基礎が整えられているのでしょう。

内部の様子は、外部イメージの通り、曲面に囲まれた空間が創出されており、普段見られることは無い空間が広がります。

 

◆下の階層を眺める。ショップが点在しており、劇場を利用しなくても観光ができる◆

大劇場は約2000人、中劇場は約800人、小劇場は約200人となっており、この3つのホールと共に1Fのホワイエ、ロビー、飲食スペース、屋上庭園が内包されています。屋上庭園は3次元構造体の端が浮き出ているデザインになっており、この内部は換気口となっているようでした。

 

◆屋上庭園の様子◆

 

またオペラハウス前に広がるランドスケープも非常に素晴らしい!噴水が前に広がり、広大な長方形に広がる公園を屋上庭園から眺めることが出来る。

 

◆1F飲食スペース、外部のレベル(高さ)とほとんどあわされている◆

 

 

台中の柳川

 

柳川というと福岡の柳川(柳川下り)を思い出す人もいると思いますが、台中にも柳川という川があります。ただしこちらは、景観水道と言われる河岸工事が行われた散歩道になっています。

 

イベントも多く開催され、ライトアップなども多数されています。景観水道というと韓国ソウルの清渓川(チョンゲチョン)も有名でしょう。

整備されたのは2017年12月末で、日本の小京都を印象付けたデザインになっているようです。

 

整備される前は、黒く汚い川で護岸もコンクリートだったようですが2年間にわたる河川の流れの調整と水質改善により水を交えた護岸デザインにより親水性を保ちました。

この話を聞くと日本の道頓堀の護岸変更が思い出されます。ただ、道頓堀の水道はビル群が水に近づきすぎている事や樹が植えられていない事もあり、台中の柳川のような景色にはなりませんでした。

 

 

 

台中の小道

 

台中の街は歩くと、たまに小さな道に遭遇します。この写真だけ見ると大阪の下町の風景にも見えてきます。それだけ、住宅、商店などのデザインも日本と似ています。

 

特に言われるのが、雨を避けるための軒(のき)の存在です。ヨーロッパなどではこの軒はほとんど見られません。雨との接し方を遮るか、雨にあたるのが平気かの文化の違いが色濃く出てくる場所になります。

 

 

アクセス

◆右がいわゆる臭豆腐。この匂いをあなたは好きになるか・・・嫌いになるか・・・◆

 

 

日本各都市から台北(桃園または松山空港)へ。台北駅から台中駅までは新幹線で約2時間半。

台中駅は台中市繁華街の外にあるため、タクシーやバスなどで市内移動が必要です。

移動は約10分程度。台中オペラハウスへは、バス75系統で台中駅から24駅目の台中国家歌劇院にて下車。約40分程度。