ドイツ:シュトゥットガルト建築と風景
シュトゥットガルトは、ドイツ南西部に位置する都市で、ポルシェ、ボッシュなど代表的なドイツの企業の本社がありつつも、一方でワインなどの農業も盛んな街だ。その中でも、車好きには非常に楽しい街でもある。
それは、2つの車の博物館があるからだ。
建築的にも非常に面白く、今回はメルセデスベンツ博物館とポルシェ博物館の2つの車の博物館にフォーカスしてご紹介する。
メルセデスベンツ博物館
設計はUNスタジオ。UNスタジオは流線型の形のデザインが特徴の建築家集団で、外観からはそこまで見えないが、内観はらせん状となっており歴代のベンツ車が自動車だけでなく、トラックやバスまで100台を超えて展示されている。
日本のトヨタ博物館も負けていないのだが、現代建築の目線で行くと、展示の仕方やワクワクさせてくれる空間づくりの点ではベンツ博物館に軍配。
興味の度合いににもよるが、車好きにとっては半日以上滞在できる空間になっており、逆に全く興味がない付き添いのパターンだと展示をスルーしていくと1時間程度で終わってしまう事だろう。ぜひ、興味のある人だけで、行った方が不満は出ない。
アクセス:シュトゥットガルト中央駅よりSバーン(S1)利用、シュトゥットガルトネッカーパーク駅にて下車。そこからさらに徒歩10分。
ポルシェ博物館
設計:デルガン・マイスル・アソシエイティッド・アーキテクツ
宙に浮いたキャンティレバーの部分が非常に美しく、ベンツ博物館のどっしりとした重厚な感じと対比して、非常にスタイリッシュなデザインとなりポルシェのイメージを想起させる。宙に浮いた感を表現しているのも、地階から天井になっている部分が鏡のようになっており地面を反転させて投影しているからだ。
窓の部分はヘルツォーク&ド・ムーロンのシャウラガー美術館入り口のようにエッジが効いています。
展示はベンツ博物館と比較して、サーキット状に展示されつつも一つ一つが丁寧に展示されている印象を受けます。まさにポルシェ博物館の入り口は宇宙船へ入っていくようで、まったく別の空間に入るという印象付けにもなっています。
アクセス:シュトゥットガルト中央駅よりSバーン利用で約10分。
駅から徒歩で行こうとすると2時間程度かかるので無理がある。
シュトゥットガルトは、ヴィヘルマ動物園やシャトーが好きな方はルートヴィヒスブルグ城、新宮殿、旧宮殿あり。美術館についても、ジェームス・スターリング設計のシュターツギャラリー州立美術館があり、現代建築での見どころもたくさんある。
建築好きとしては、フランクフルト日帰りがおススメで、南に抜ける場合はスイス・バーゼルを経由してイタリアまで抜けるパターン、西に抜ける場合はカールスルーエ、ストラスブールが建築的見どころが多い都市になる。
シュトゥットガルト中央駅へのアクセス:
フランクフルト空港からICE(高速鉄道)利用で約1時間半。
ミュンヘン空港からSバーン、EC利用で約3時間半。